夫婦でお世話になっている恋愛スペシャリストの女性に、恋愛をする人が最近は少ないということを聞きました。
10月の中旬からフジテレビで 「私が恋愛できない理由」 という月9ドラマが始まるようです。
AQUAMIXT のサービスである「潤治の恋愛処方箋☆セキララレッスン」 では、恋愛についてセキララに語り合います。自身の思考パターン、両親からの影響、男女間に起きたトラウマ、忘れていない思い、依存心や執着…、どれも恋愛が教えてくれる私たちが成長する鍵です。
恋愛はとても多くのことを教えてくれます。
人と人とが深く交わる時、成長する機会は増えます。その成長は豊かさを引き寄せると感じています。
恋愛できない理由は、ひょっとして、私たちが成長できる余白として機会を与えてくれるかもしれません。
今回、そんなことを短編の物語にしてみました。
恋愛をするべく、合コンに毎週のように繰り出している男性のお話です。
合コン好きな彼がいた。名前は純一。
自分の描いている理想の彼女に出逢うために、
毎週のように合コン(合同コンパ)を開いては、女性の品定めをした。
理想とする彼女像ははっきりと描いていたので、
そのうち現れることになると確信していたのである。
“優しくて、
控えめで、
僕のことを一番に考え、
応援してくれる人”
彼はいつもそのイメージを持って、合コンに挑むのだった。
その夜も合コンで、その回数は20回目になる。
今までもいいなと思った人はいたのだが、
肝心なところで自分の理想と違っていることが多く、
なかなか合コンで成果が出せないままだった。
彼はいつもどおり、おしゃれ着に着替え、理想の彼女像を再度イメージした。
“どうか、今日こそ、理想の彼女に出会えますように…
この祈りは神さまに届いているのかな?”
ついつい、疑ってしまいたくなる自分を慰め、今日こそは!と思うのだった。
合コンのために買った洋服、女性の接し方の本、飲み代の捻出、
できるかぎりのことはして、合コンに臨む純一だった。
彼には恋愛の神さまがひとり守護していた。
彼が恋愛を通して、魂を研磨し成長するのを見守るためだ。
人間からは、“ロマンスエンジェル”、“ロマンスの神さま”などと呼ばれていた。
その神さまからしてみれば、いつも彼の目の前に理想の女性を現しているのに、
なぜ、彼は喜ばないんだろう?と思うことが少なくなかった。
その夜も、彼の学びや成長に必要な女性を目の前に現して機会を与えた。
その夜の合コンの場所は恵比寿。
店内には最近の流行なのか、アクアリウムがあるお店。
大きい水槽にたくさんの魚が游ぎ、暗めの店内の雰囲気をモダンにさせていて、
合コンはそのお店の看板でもある隠れ家的個室で行われました。
集合した男女はそれぞれ自然とできたカップル同士で、盛り上がり始めた。
彼は参加していた女の子たちひとりひとりに気を遣い、空いたグラスがあれば、
交換して新たに注文をし、大皿の料理から取り分けてあげるのだった。
そんなふうに彼が気遣いをしていると、隣に女の子が座ってきた。
彼女の名前は寛美。
ロマンスエンジェルが今夜も彼の成長に必要な素敵な女性との出逢いを
用意していた。
“彼の魂がさらに素敵に磨かれるのに、ちょうどいいパートナーになるわッ”
とエンジェルもふたりの様子をうかがう。
しかし、その時、純一はすでに心が萎えてきているのを感じていた。
寛美の振るまいが彼の理想とする女性とはかけ離れていると思うからだ。
“彼女、全然気を遣わないんだな…、僕のグラスは空なのに…。
自分の料理を美味しそうに食べてばかりで、人のことなんて見ちゃいないッ。
がっかりだよ…、見た目はとても好みなのに、内面が僕の理想とは違うな…。”
純一は、すでに次の合コンの予定に意識を向けるのだった…。
“今回の合コンは失敗だった…、次の合コンに期待をしよう。”
それでも、気遣うことは身体に染みついているのか、
身体は勝手に周りの女の子たちの皿の交換やグラスの補充をしてしまう。
彼の誰にでも好かれたいという気持ちがそうさせるのかもしれない。
ロマンスエンジェルは、
純一に、“他人にどう見られているかよりも、自分がどうしたいか”
という気持ちに気づくために、寛美を彼の前に用意したのだ。
寛美はそんな彼の少し無理をしている姿を見て言う。
“純一君は、誰にでも優しいよね。誰にでも気を遣って…。
でも、純一君自身は、この飲み会の場を楽しんでいる?
あなたが楽しんでいないのに、人に気を遣いすぎるのは、
優しさと優柔不断をはき違えているだけなんじゃないの?”
ロマンスエンジェルの思惑通り!
彼に金言を投げかける彼女にエンジェルは大喜びだった。
(続く)
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